セミ

最近、セミの声が外から良く聞こえます。日本のセミとは少し違いますが、それでもやはりセミとわかる声をしています。この声を聞くと、夏がきたなと感じます。

イタリアのセミの声(Youtubeにリンクします)

セミは松の木が好きなようで、どの松の下でも何匹かの声が盛んに聞こえてきます。でもいくら探しても、なかなか姿を見ることができません。こちらの松は10数mほどの高さなうえ、セミは体長3~4cmほどと小さいからです。

イタリアのセミ。https://www.casaegiardino.it/giardinaggio/cicala-foto-video-e-cose-da-sapere.phpより引用。

私の小さい頃はセミといえば捕まえるものでしたが、この辺りではそういった習慣はないようです。虫取り網を持った子供も、網や虫かごが売られているのも見たことがありません。セミが手の届きづらい高い場所にいるからか、とも思いましたが、蝶々などの虫を追いかけていることもありません。虫全般にあまり興味がないのかもしれないですね。ただ今思うと、なぜ自分があんなにセミを捕まえるのに夢中だったのかも謎なのですが。

ところで、イタリア語の辞書で「セミ」を調べると、「セミのように暮らす」という熟語が出てきます。これは「のんきに遊んで暮らす」ということを意味するそうです。イソップ童話の「アリとキリギリス」も元々は地中海地方の「アリとセミ」という民話で、夏の間遊んでいるのはセミだったそうです。「セミのように」というのはこの民話から出てきた熟語だと思いますが、ずいぶんとお気楽な虫と思われているようです。日本だと、セミは羽化後の短い命を慌ただしく生きるというイメージだったので、国が違うと虫に向ける気持ちも変わるものなのだなと面白く思います。

【追記】
イタリアでも昔は虫取りをする子供達がいたそうですが、今はテレビゲームやサッカーの方が人気があるようです。先生が「自然は昔は身の回りにあるものだったのに、最近は旅行先で楽しむものになってしまった」とおっしゃっていたのが印象的でした。

Il giapponese

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